太平洋島嶼国エネルギー等事情調査報告書
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2) 「キリバス統合エネルギーロードマップ」(Kiribati Integrated Energy Roadmap)2017-表 16-2 2025年までの政策目標 ・ 文化遺産の保全 ・ コミュニティの参加と関与、オーナーシップ、脆弱なグループの取り込みのための戦略的パートナーシップを通じたレジリエンスの強化 出所:Climate Watch, Intended Nationally Determined Contribution、Updated Nationally Determined Contribution、Kiribati Joint Implementation Plan on Climate Change and Disaster Risk Managementを参照し受託者作成 出所:IRENA, SPC and PPA (2017) Kiribati Integrated Energy Roadmap:2017-2025 同ロードマップでは、以下のキリバスのエネルギーセクターに対して以下の新技術の導入を解決策として検討している。なお、太陽光発電や風力を動力源とする逆浸透膜(RO)海水淡水化装置362や海洋温度差発電の導入も検討される。 いる(IRENA, SPC and PPA (2017) Kiribati Integrated Energy Roadmap:2017-2025)。 2025 • 変動制再生可能エネルギー(VRE/ Variable Renewable Energy):氷蓄熱、ロードシフト、電気自動車、ディーゼル発電機、蓄電池、余剰太陽光・風力の自動抑制、VRE発電量の予測など • バイオエネルギー:陸上および海上輸送用の液体バイオ燃料、ココナッツオイル(発電用ディーゼル燃料の代替)、改良型調理用コンロなど • 陸送:エネルギー効率の高い車両(ハイブリッド車や充電に太陽光発電を利用する電気自動車) • 海送:風力(ソフトセール)、ハイブリッドソーラー、液体バイオ燃料(例:CNO)など 3) 導入促進策 太陽光ミニグリッドに関連する生産利用設備の一部投資(最大で3分の1)のための助成基169 キリバスでは、2017年7月に「キリバス統合エネルギーロードマップ」2017-2025が発表されている。同ロードマップは2025年までの再エネとエネルギー効率を考慮した包括的なものである。策定した結果、電力セクターが重要な分野であると同時に、太陽光発電の導入による継続的な努力を継続し、電力使用、暖房、冷房、輸送を含むキリバスのエネルギーシステム全体の効率化が必要であることが明らかとなった。また、ディーゼル燃料の代替燃料としてココナッツオイルの開発や海水淡水化設備の再エネ利用の必要性も言及している。2025年までの目標として以下を定めている。 362 キリバスで過去に設置された逆浸透膜海水淡水化設備は、適切なメンテナンスが行われなかったため失敗して

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