ツバルガイドブック
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 歴史的に日本との交流は少ないが、第二次世界大戦中、フナフティ環礁などは旧日本軍により爆撃を受けている。1978年政府は国内の需要に見合う生産を行うために、物とサービスの向上を奨励するとともに、国内の産業を活性化するために外国からの投資を期待している。 輸出品としては切手の販売、民芸品などがあるが、輸出額はわずかである。輸入品は鉱物、金属、輸送機器、食料品、機械、衣類などと多岐にわたる。輸入に依存しなければならないこの国にとって、貿易収支は恒常的に大幅な赤字(輸出40万豪ドル、輸入4286万6000豪ドル)となっている(2021年、ツバル政府統計局)。 ツバルの農業は小規模農家によって自給自足的に営まれており、主要農産物はココナツ、タロイモ等のイモ類、バナナ等の果実及び豚鶏等であるが、市場で販売される以外にも、親族やコミュニティなどに贈与される場合も多い。輸出産品としてはコプラというココナツの果実を乾燥させたものがあったが、現在ではほとんどつくられていない。ツバルの漁業は同国にとって潜在的に大きな可能性を有する分野である。現在のところは自給自足的な漁業が中心であるが、政府は日本やUNDP、ADBの援助等により管理技術、マーケティング、インフラ等の問題点を少しずつ解決しながら漁業開発に力を注いでいる。現在、日本、韓国、台湾、中国及び米(多国協定)などと漁業協定を有しており、それに基づく入漁料収入は同国財政にとって重要な収入源となっている。海運としては日本政府ODA(無償資金協力)により2002年にマヌ・フォラウ号(580トン)と2015年にニヴァンガ3が供与され、首都と離島間の貨客船として運航されている。 1993年、台湾の援助によりフナフティ環礁に国営ホテル(バイアクランギホテル)が建設された。2016年からはツバル国民準備基金(TuvaluNationalProvidentFund)が経営者となり、フナフティ・ラグーン・ホテルに名称変更されている。20室の客室、カウンターとダンスフロアがある。6日本との関係

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