ツバルガイドブック
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環礁(現在のキリバスの首都)に移設した。1967年には議会がタラワ環礁に設置された。しかし、この議会は圧倒的にギルバート諸島民(キリバス人)が優勢であったため、1974年の住民投票の結果を受けて、1975年にエリス諸島は文化・社会・言語的に異なるギルバート諸島と分離して英国植民地ツバルとなった。1978年、独立を達成した。 ツバルは英国王を元首とする立憲君主制国家であり、英連邦に加盟する。元首は英国王であり、ツバルでは総督が元首の権限を代行する。首相が議会の承認を経た後に英国王に助言を行い、それに基づいて英国王が総督を任命する。 議会は定数15名の一院制で、ナヌメア、ナヌマンガ、ニウタオ、ヌイ、バイツプ、ヌクフェタウ、フナフティ各島より各2名、ヌクラエラエより1名の計15名が選出される。議員の任期は4年。議会の召集は首相の助言により総督が行う。国内に政党はなく、首相は議会において議員の中から選出される。内閣は首相が主宰する。 ツバルは、平和愛好国とのみ国交を持つとの方針を有しており、英連邦諸国、援助供与国、太平洋諸国等との関係が強い。在外公館としてはフィジーとニュージーランドに高等弁務官事務所、台湾、ベルギー、アラブ首長国連邦に大使館、ニューヨークに国連代表部がある。93年6月にWHOに、2000年9月に国連に加盟した。警察官は約100名で、軍隊は存在しない。 ツバルは、資源に乏しく、国家財政の収入源は、入漁料と外国船への出稼ぎ船員等による本国送金、ツバル信託基金(ツバル、英、豪、NZの拠出により87年に設立)の運用益からの引き出し等あったが、99年より米国のインターネット関連会社に貸与したドメイン・コード「tv」の使用権の契約料収入がある。同国には限られた資源しかないため、これらの収入をいかに運用していくかが今後の課題である。 ツバルの主な産業は農業及び漁業であるが、自給自足的な側面が大きいため、GDP(5700万豪ドル)に占める割合は10.7%となっている。他方で、行政サービスの占める割合が最も多く18.7%となっており、建設業12%、貿易10.9%と続き、商業ホテル・レストラン業は2.3%に過ぎない(2017年、ツバル統計資料)。5政 治経 済産 業

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