トンガガイドブック
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5立 地気 候政治体制と内政経 済は弟であるトゥポウ6世が引き継いだ。2015年に執り行われた戴冠式には、各国要人が出席し、日本からは皇太子・同妃両殿下が出席された。 トンガ王国はニュージーランドの北約2,000㎞、フィジーの南東800㎞、赤道とのほぼ中間地点にあり、経済水域を日付変更線が縦断している。南北に約1,000㎞、東西約500㎞の海域に散らばる島々は、トンガタプ、ハアパイ、ババウ、ニウアスの主要な4つの諸島で構成されている。トンガタプ島の北北東約150㎞にハアパイ諸島があり、その北約120㎞にはババウ諸島がある。さらにババウ諸島から北約300㎞にニウアスのひとつニウアトプタプ島があり、その西200㎞にニウアフォオウ島がある。 トンガは南半球に位置することから季節は日本と逆になる。赤道からの距離は北半球のハワイとほぼ同じであり、サモアなどに比べると日射しは幾分柔らかい。南北に長く諸島が点在しているため、場所により若干の気温差はあるものの、熱帯性気候で年間の平均気温は24℃と温暖。しかし、乾季となる6~10月には南のトンガタプ島で最低気温が20℃を下回り、朝晩は冷え込むので、長袖の衣服が必要。12~3月の雨季の気温は30℃近くまで上がり、雨が多く、サイクロンが到来する季節でもある。 トンガは立憲君主国であり、国王の統治の下に国政が行われているが、近年民主化の動きも活発化している。議会は1院制で、貴族内の互選による貴族議員9名と総選挙で各選挙区から選出される平民議員17名の計26名で構成され、任期は4年である。2010年の選挙制度改革までは、首相及び閣僚は全て国王が指名していたが、現在、首相は議員選挙により選出され、閣僚は首相の指名制となっている。 2014年の総選挙で選出されたアキリシ・ポヒヴァ首相は、初めて選挙で選出された民間出身の首相で、これまで長年にわたり民主化を推進する政治グループを率いてきており注目された。2019年、同氏が急逝。2021年11月に実施した総選挙でフアカヴァメイリク氏が首相に任命され新内閣が発足した。 外交面ではイギリス連邦の一員である一方、南太平洋の域内協力の推進にも熱心であり、また、1998年11月には台湾との関係を終了し中国との外交関係を樹立している。 トンガの産業としては農水産業や観光業があり、政府も外国資本の誘致や民間企業の支援などを通じて経済発展を目指している。貿易ではニュージーランドを筆頭に、オーストラリア、アメリカ、日本等へ農水

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