トンガガイドブック
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3歴 史●先史時代 トンガに初めて定住したのはラピタ文化を持つ人々であったとされる。ラピタ文化の拡大の経路はフィリピン、ニューギニア、バヌアツ、そしてフィジーを経由し、紀元前850年ごろにトンガに到達し、その後約1000年間継続したと考えられている。●王国の成立 紀元950年ごろ、空の神タンガロアの子である初代トゥイ・トンガ(Tu’i Tonga)がトンガを統一し、最初の国王となったと伝えられている。「トゥイ・トンガ」という王位は世襲で父から子へと引き継がれたが、第24代トゥイ・トンガが、自身の弟を初代トゥイ・ハアタカラウアに任命し、政治的な職務を任せ、自身は宗教的な職務のみを担い、さらに第6代トゥイ・ハアタカラウアが、息子の一人を初代トゥイ・カノクポルに任命し、トンガタプ島の西半分を治めさせたことで、3つの王朝による分立国家の時代が始まった。トンガタプ・バシリカ教会●ヨーロッパとの接触 トンガに初めてヨーロッパから船が接近したのは1616年とされている。2人のオランダ人がニウアス諸島を発見し、食料を入手したことが記録されている。1643年には同じくオランダ人船乗りで冒険家のアベル・タスマン(Abel Tasman)がトンガタプ島やエウア島(’Eua)、そしてハアパイ諸島に上陸している。 海洋探検家として有名なキャプテン・クックがトンガの島々を訪れたのは1773年になってからで、トンガタプ島とエウア島で数日間を過ごしている。翌1774年の再訪に続き、1777年には3度目となるトンガ訪問を行っており、この時には2ヶ月の滞在が記録されている。クックはトンガで受けた人々からの親切に、この島を「友情の島」(Friendly Islands)と名付けてヨーロッパに紹介した。トンガタプ島にはこのキャプテン・クックの上陸を記念した石碑が建てられている。●王朝の統一とキリスト教 1800年頃から内戦時代に入り、3つの王朝により統治されていたトンガは、第18代トゥイ・カノクポルの又甥であったタウファアハウ(Taufa’ahau)がキリスト教の影響を受けたことで大きな変化を遂げることになる。1831年にキリスト教に改宗したタウファアハウは、イギリス国王の名前に因んでキング・ジョージ(King George)を名乗り、1845年に大叔父からトゥイ・カノクポルの王位とともにトゥ

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