ソロモンガイドブック
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市)が設置され、知事(Premier:ホニアラ市は市長(Mayer))が地方自治を行っている。 植民地時代を含め経済開発は低調なまま今日に至っているが、太平洋島嶼国の中では国土は広く、鉱物資源や水産資源にも恵まれている。また、人口も多く若年層の割合も大きいので、市場としても潜在的魅力がある。 ソロモン諸島の1人あたりGDPは2,041.6米ドル(2023年世銀)。IMFの購買力平価による国別1人あたりGDPでは対象198ヵ国中181位(2023年)となっていて、国連が定めるLDC(後発開発途上国)に名を連ねている。 ソロモン諸島の産業としては、農林水産業が中心でGDPの3~4割程度を占めている。ただし国民の大半が村落部に暮らしており、彼らは自給自足をベースに、イモ類、野菜、魚介類等の換金作物を販売して、教育費や日用雑貨購入等に必要な現金を稼いでいる。 輸出品としては、木材、パーム油、カツオ・マグロ類、コプラなどだが大幅な貿易赤字が続いている。 鉱物資源は、アルミニウム鉱石やボーキサイトなど鉱業が拡大するにつれ輸出の割合が増加している。 政府は、鉱業開発、観光、小規模ビジネスの発展を重点分野に掲げるとともに、道路網や通信網の整備など基礎経済インフラの整備に積極的に取り組む姿勢を見せている。2019年の中国との外交関係樹立以降、道路、スタジアム、電力インフラなど、中国からの支援が顕著となっている。 ソロモン諸島では小さな集落が海沿いに点在しており、集落間はカヌーやボートで行き来するところが多い。集落、あるいは同じ言葉を話す「ワントク」の結束力は強く、相互扶助の伝統や、一族の年長者を敬う習慣は現在も強く受け継がれている。一方、国内に87の異なる言語が共存していることからもわかるとおり、島ごと、民族ごとに多種多様な伝統文化や風習があり、訪れる島や村によって様々な生活文化に触れることができる。 宗教は国民の9割以上がキリスト教徒で、聖公会系のメラネシア教会を筆頭に、カトリック、ゼブンスデー・アドベンチスト、会衆派など、様々な宗派が共存している。 人口は、800,005人(2023年)。1967年の約150,000人、1997年の約380,000人と比べると人口増加率は極めて高く、その傾向は現在も変わらない。また、首都ホニアラの人口増加も急激で、こうした傾向への対応施策が急務となっている。 一般に、ソロモン諸島の人々は素朴で穏やかな国民性と言われている。民族は違う7経済と開発社会と文化人々と国民性

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