ソロモン諸島は、パプアニューギニアの東側に列をなす島々でできた国である。太平洋島嶼国では2番目に国土面積が広く、3番目に人口が多い。オーストラリアから見ると北東約1,800kmに位置する。国は大小1,000を越える島々から成り、行政上は9つの州(Province)に分かれている。首都はガダルカナル島北岸にあるホニアラで、約11万2千人が居住している。 ソロモン諸島は、19世紀後半の列強による植民地分割によってイギリス領としてひとつの行政区分としてまとめられた領域で、1978年に独立するまで単一の国家を形成したことはない。地域的にはメラネシアに属し、国民の9割以上がメラネシア系だが、島や氏族により異なるアイデンティティを持っており、各地域や氏族の伝統的な慣習や権利の維持と国としての一体感の醸成は、建国以来の大きな課題となっている。国民は計87とも言われる異なった言語を使用しているほか、共通語として英語を土台としたピジン語を話し、また多くの国民は英語も操る。 太平洋戦争の激戦地となったことにより日本との歴史的関係は深く、1980年には太平洋島嶼国ではパプアニューギニア、フィジーに続く3番目の日本大使館が開設されている。戦後日本から訪れる慰霊団や遺骨収集団による地元住民との交流は深く、また経済協力活動などを通じて日本に対して親近感を持っている住民も多い。その一方で、日本からの訪問客は年間500人以下、うち観光客は3割程で、日本人にとっては馴染みの薄い国のひとつである。2日本と太平洋島嶼国ソロモン諸島の概要
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