ソロモンガイドブック
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が同じ「島で育まれた文化を持つ」間柄として、日本人とは共感し合える感性も多く持ち合わせている。ソロモン諸島で暮らした日本人の数は決して多くないが、ソロモン諸島の人々と接したことのある日本人はソロモン諸島を好きになる傾向がとても強い。 教育は義務教育ではなく学費が必要。就学率は低い傾向が続いており、就学年齢の遅れ、高い留年率、低い修了率、地域間における格差、インフラ不足、学費などが要因にあげられる。高等教育の選択肢はフィジーや豪・ NZの大学の他、国内にもソロモン諸島国立大学(SINU)と南太平洋大学の分校が設置されている。 また各地に地域職業訓練校(RTC)が設置されており、高等教育に進学しない若者の受け皿になっている。一方、急速な人口増加に雇用が追いついておらず、特にホニアラにおける若年層の失業問題は、政府が取り組むべき大きな課題となっている。 肥沃な熱帯雨林に覆われたソロモン諸島には生息が確認されている植物は約5,000種、うち2,600種が固有種と確認されている。特にランは確認されているだけでも200種以上を数える。しかし、十分な学術調査がなされてはおらず、ランの他、ヤシ、ベゴニア、ジンジャーなどでも頻繁に新種が発見されている。 海岸線はマングローブとココヤシに覆われており、西側の島々にはワニも生息している。陸は原生林が広がっており、植物相の豊かさは訪れる人を驚かせる。その一方で、近年の林業の活発化により、籐、ローズウッド、黒檀などの過剰伐採が懸念されている。 鳥類は発見されているだけで173種類が生息しており、極彩色のインコやオウム、アカコブバト、ウグイス、フクロウなど多様な鳥たちが豊かな熱帯雨林に見られ、バードウォッチャーには知る人ぞ知るスポットとして名高い。中でも火山の地熱を利用して巣作りをする珍鳥「ツカツクリ」は有名である。 また、あまり知られていないが、蝶も確認されているだけで130種を数え、珍種の蝶を求めて訪れる旅行者もいる。8教 育自 然

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