サモアガイドブック
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2 赤道の南1,200km、南太平洋の中心に位置するサモア諸島は、日付変更線のすぐ近く西経171度線の両側にあり、その西側のサモア独立国(以下サモア)と東側のアメリカ合衆国領サモア(以下米領サモア)に分かれている。サモアは1962年の独立時には西サモア独立国と呼ばれていたが、1997年に現在の国名に変更された。 サモアは、首都アピア(Apia)のあるウポル島(Upolu)と、その東海上15kmにあるサバイイ島(Savaii)の2つの大きな火山島で構成されている。その100km東にはツツイラ島を主島とする米領サモアがある。 両サモアは、その言語、伝統・習慣は同じであるが、人々の生活態度から受ける印象には大きな違いが感じられる。米領サモアは、公的部門へのドル投入、アメリカ資本による漁業開発の結果、完全に貨幣経済社会へ移行した。また、労働人口の3分の1は米国政府の関連施設で働いている。食生活も輸入された缶詰や冷凍食品が徐々に伝統的な食事のスタイルを変化させてきている。 一方、サモアは、素朴で伝統的なポリネシアの慣習を守って生活している代表的な国である。多くの南太平洋の国が外国からの影響を受けることで独自の伝統を維持することが困難になっているが、サモアは、自給自足経済への依存度が高く、本来の伝統を最も色濃く残している国とされている。サモア独立国の概要

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