ミクロネシアガイドブック
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5産 業の改善、民間部門の開発に努めている。貨幣経済と伝統的自給経済が混在しており、国内の生産性は高くなく、生活必需品の多くを輸入に依存しており、貿易収支は恒常的に赤字である。国民経済の主な収入源は農産物輸出、入漁料収入、観光業であるが、同国は依然として米国等からの援助に大きく依存しており、また、経済開発は、主に公共投資によるものとなっている。 ミクロネシア連邦の主要産業は水産業と観光業と農業である。水産業における大きな収入源は、外国船が支払う年間入漁料である。同国が有する排他的経済水域は、太平洋地域で最大級であり、太平洋諸島地域で最も多くカツオが生息する地域だといわれている。同国には広大な珊瑚礁や礁湖があり、オオジャコガイ、キリンサイ、海綿、真珠、グリーン貝、その他の魚や海藻の養殖は将来発展する可能性がある。日本や米国といった市場への便もよく、この産業が発展していくのに必要なインフラの整備も進んでいる。 ミクロネシア連邦を構成する4つの州は、それぞれに美しい島々と海とに囲まれた異なる雰囲気を持っており、魅力的な観光地としての潜在力をもっている。 農業は果物や野菜を栽培する小規模の自給自足が基本であり、余剰作物を地域の市場で販売したり、大きな市場の小売業者に販売したりしている。グアムおよびマーシャル諸島の地域市場向けに、少量の輸出も行っている。こうした輸出品には、コプラ、バナナ、柑橘類、シャカオ(カバ)、ビンロウ (ヤシ科の植物)、根菜類がある。

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