ミクロネシアガイドブック
12/60

10旅行者の留意点近年になって男女混合で踊られるようになり、動きが激しく華やかなので観光客にもよく紹介される。また日本の統治時代にできた独特のメロディにのり行進しながら踊る新しい踊りもある。●伝統的な服装 ヤップ州では島によって伝統衣装も異なる。ヤップ島では女性はココヤシの葉やハイビスカスの繊維で編んだ腰みの(ラバラバ)を着るが、離島ではバナナやハイビスカスの繊維、現在では化繊糸で織った腰まきを着る。男性はふんどし(スー)だが、これも島や年齢によって素材や着付けが異なる。現在のヤップ島ではほとんどの人が日常生活を洋装で過ごすが、これらは伝統行事や踊りのときには必ず着用される。離島の暮らしでは今も伝統衣装が一般的だ。●伝統的な集会所 ヤップ島の各村には今でも二種類の集会所がある。コンクリートブロックとトタン屋根のモダンな建物のものもあるが、未だに伝統建築の集会所を維持している所も多く、これらは見学することもできる。・ファルー(Faeluw):男の集会所 ファルーは各村の海辺に建てられ、その村の共同船着場、海への玄関口となっている。ヤップ島では海の仕事は男の分担とされ、ファルーは男たちの共同作業場でもあった。かつては10代以上の未婚の男子はファルーで夜を共に過ごし、一人前の男として必要とされる伝統的な知識や技術を身につけた。ファルーはまた、他村からの男子訪問者のゲストハウスでもあった。・ペバイ(P'eebaey):村の公民館 ペバイは村の公民館的な役割をする施設で、男、女、子供、村の構成員や他村からの招待客まで大勢が集うことがあるので、かなり大きな建造物だが、通常ここでは寝泊りしないので壁はない。またペバイの前には、村の財産である石貨がたくさん飾られたマラル(Malaal)いう場所があり、外国人には「石貨銀行」などと呼ばれているが、実際には伝統の踊りなどを披露するステージである。●飲酒 21歳以上の成人には酒類の購入、飲用は認められるが、レストランやバー、あるいは私的な場所以外での飲酒は禁じられているので、空港ロビーや道路を歩きながらビールなど飲まないように注意しよう。また教会や学校の近くでは酒類の販売は禁じられている。

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る