マーシャル諸島ガイドブック
15/38

13 マジュロ環礁は57の小島が100kmにわたってつながる細長い楕円形で、その約半周に及ぶ50kmが舗装道路で結ばれ、1つの長い島をかたどっている。島の幅はいちばん広いところでも2kmほどであり、最高地でも海抜6mしかない。 マジュロには約2万4,000人の居住者がいる。環礁の北東部に、首都マジュロの中心街である3つの島、すなわちダリット(Darrit)とウリガ(Uliga)、デラップ(Delap)の頭文字をとってD.U.Dと呼ばれる地区がある。空港からDUD方向(東)へ8キロほどのところに、ブリッジ(橋)がある。これは、マーシャル諸島共和国内にある唯一の橋である。 デラップ地区はマジュロ橋を超えた辺りからはじまり、この地区には、政府機関や議事堂、病院などの首都機能が集中している。またデラップ・小さな島が続くマジュロ環礁ドック(港)は離島への定期船やコプラ回収船の母港であり、大きな貨物船や客船も入港できる規模と設備が備え付けられている。 ウリガ地区は、ダウンタウンとも呼ばれるマジュロの中心地で、一番賑やかな地区だ。ホテルやレストラン、ツアー会社やスーパーマーケットが集まっている。ウリガ地区にはデラップ・ドックより一回り小さい港(ウリガ・ドック)があり、ここには日本からのマグロ漁船が入港する。 ダリット地区のことをローカルの人はリタといい、舗装道路の北端にある集落だ。ここは主に住宅街となっており、観光客が出掛けることは少ない。ちなみに空港からリタの端(道路の終点)までは約17kmある。 空港からブリッジ(橋)までの区間はロングアイランド地区で、ここにはアメリカ、及び台湾などの大使館がある。 空港を西へ進んで、環礁の南西部へ行くとローラ村があり、道路もここで終点となる。ローラ村には伝統的で素朴な暮らしがあり、19世紀の終わりにこの環礁を「太平洋の真珠の首飾り」と呼んで愛した「宝島」の筆者ロバート・スティーブンソンの気持ちが理解できる。首都マジュロ

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る