太平洋島嶼国投資ガイド
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1980年代から宿泊施設がメネン・ホテルとオドゥンアイウォホテルの2つしかない状況が30年続き、訪問客を収容する宿泊施設が慢性的に不足しているため、観光プロモーションは現実的ではない100。 ⑥ 貿易・経済連携協定 53 歳入の大部分を形成している。2016年のナウル籍船による総漁獲量は約530トンと推定される。ナウルには沖合漁業からの水揚げはなく、台湾や韓国の旋網漁船は缶詰工場へ積み替えを行い、米国漁船は米国領サモアのパゴパゴの缶詰工場へ直送、日本漁船は日本の港へ送っている。また、一部の船舶はフィリピンの缶詰工場へ配達する場合もある。浅い沿岸海域の釣りで得られた漁業物は、自給自足のためまたは地元の市場で販売されている98。 島の中央部が海抜60mに達する燐鉱石からなる台地であるが、既に燐鉱石の大部分は採掘されたため、残された珊瑚柱が一面に広がっている。2005年より燐鉱石の二次採掘を開始し、輸出が再開され、政府は二次採掘を安定的に行っていく限り、燐鉱石の埋蔵量は30年分が確保されていると予測している99。 地理的近接性から、オーストラリア・ニュージーランドをはじめ太平洋島嶼国との結びつきが強い。また、親西側を基本としつつも独自の自主外交を推進。1995 年にフランスが南太平洋(フランス領ポリネシア)において核実験を再開したことに抗議し、フランスとの外交関係を停止した。ナウルは台湾と外交関係を有し、ナウルには台湾大使館が設置されていたが、2002年7月、台湾との外交関係を断交し、中国と国交を樹立した。2005年5月、台湾との外交関係再樹立。豪ドルが使われているミクロネシア系民族の国家で、航空路のあるオーストラリアやフィジーとのつながりが強い。近隣のキリバスとの関係も良好101。 ⑦ 労働力・人的資源 義務教育は5歳から16歳であり、無償である102。高等教育はUSPナウルキャンパスで会計学・経営管理学・教育学・幼児教育学・英語を学ぶことができるが103、オーストラリア98 FAO 2017, Fishery and Aquaculture Country Profiles Nauru 99 国際機関太平洋諸島センター ナウルガイドブック2017 100 一般社団法人太平洋協会 パシフィックウェイ第150号2017年「特別インタビュー ナウル共和国大統領 バロン・ディバベシ・ワンガ」 101 日本外務省ウェブサイト 102 World Mapウェブサイト 103 University of the South Pacificウェブサイト 【燐鉱業】 【観光業】

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