太平洋島嶼国投資ガイド
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表36 GDPに占める産業別割合の推移94(%) 国家の主要外貨獲得源である燐鉱石がほぼ枯渇し、他にナウル経済を支えるめぼしい産業もなく、経済状況は厳しい状態である。国内には自給可能な食糧産業はなく、食糧及び生活物資の大半を海外からの輸入に頼っている。世界的な石油価格上昇の影響を受け、物価も上昇している95。燐鉱石の採掘、及び経済の牽引役であったRegional Processing Centre(オーストラリアのオフショア移民の収容施設)関連事業の減少によって、ナウル経済は転換期を迎えている96。 ⑤ 各産業分野の現状 【農業】 ナウルは21平方kmと国土が限られている上に、およそ8割が採鉱により劣化しているため、産業として農業はほぼ行われておらず、輸入に依存している。2011年には、自給自足の農作物栽培を行っている世帯は13%であった。政府はNauru’s NATIONAL SUSTAINABLE DEVELOPMENT STRATEGY 2019-2030 (NSDS)の中で、輸入を減らし、国内の農畜産物の生産を増加することを中期戦略目標として掲げている97。 ナウルの排他的経済水域の年間漁獲量は20,000~67,000トンの間で推移し、90%以上がマグロである。漁獲物の大半は外国漁船によるもので、これらの船舶が支払う入漁料が政府52 94 2007年度実質価格ベース。 95 日本外務省ウェブサイト 96 2021対ナウル4条協議報告書(IMF) 97 Nauru’s National Sustainable Development Strategy 2019-2030 農林漁業鉱業・採石業製造業電気・ガス等供給サービス業上下水・水管理サービス業建設業卸売・小売業、自動車修理業宿泊・飲食サービス業運輸・倉庫業情報・通信業金融・保険業行政・防衛・社会保障教育保健・社会福祉芸術・娯楽その他サービス業生産と輸入に課される税金(控除)補助金(出所)ADB Key Indicators Databaseより作成(参照日:2022年6月16日) 【漁業】 2011年度2012年度2013年度2014年度2015年度3.5%0.6%3.3%3.9%0.0%2.6%22.5%10.2%13.2%0.0%10.3%9.9%2.0%2.8%-5.9%9.4%5.8%1.8%14.3%19.1%0.0%1.6%9.5%2.2%14.6%0.0%9.0%8.1%1.3%2.8%-10.1%-0.3%3.4%1.1%6.0%3.7%0.0%1.9%21.9%9.6%11.8%0.0%6.8%10.2%1.5%3.2%-5.8%13.1%5.4%2.0%17.2%13.2%0.0%1.4%13.1%2.4%12.0%0.0%6.2%8.7%1.7%3.3%-9.4%3.8%4.3%1.3%9.9%5.2%0.0%1.7%19.6%7.1%11.3%0.0%6.9%10.9%1.6%3.4%-7.3%9.6%

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