太平洋島嶼国投資ガイド
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FSMの魚、及び魚製品の輸出額は115,521千USD(2018)、輸入額は8,564千USD(2018)FSMはナウル協定加盟国であり、このグループ内で中西部太平洋のマグロ漁獲の約80%を占め、この地域で3番目に大きな排他的経済水域を有している。捕獲したマグロは米国、日本、中国、韓国、及び台湾へ輸出されており、現状、マグロ加工業はFSMの有望なビジネス分野である40。 FSMは自然や多くの歴史的、文化的な魅力があるにもかかわらず、観光産業はここ数年、衰退の一途をたどっている。政府により2023年までにFSMを持続可能な観光地として発展させることを目的とした国家観光政策を打ち出しているが、ほとんど進展はない。2019年の観光収入は1,800万ドルと推定され、GDPの約6.5%に相当する。観光産業における現地民の雇用数は800人未満であり、同国の総労働力の2.5%程度である41。 農地を所有している世帯は、全世帯の90.3%であり、GDPにおける農業(主に自家消費)の貢献割合は、13%から15%で推移していると試算されている。農業の多くが自家消費目的で栽培され、ココナッツ、パンの実、バナナは全ての州において90%以上の世帯が栽培しており、次いでライム/レモンの栽培割合が高い。ヤムイモやタロイモ等の根菜類は多くの世帯で栽培されている一方、野菜は唐辛子、カボチャ、及びキャベツ等が栽培されているが、ごく一部の世帯でしか栽培されていない35。 【漁業】 。沖合漁業では、マグロやカツオを中心に、クロカジキ、シマカジキ、メカジキ、である及びサメ等も漁獲される37。カツオについては一部現地で鰹節に加工され、日本にも202038年は3,458kg、2021年は2,337kgの輸出量があった。 沿岸漁業では、自給自足や地元の市場での販売を目的として行われる場合が多い。FSMの世帯の55%が、調査実施時期の直近1年間に漁業を行っており、月に8.5回漁業活動を行っている。主な漁獲物としては、リーフフィッシュ、タコ、及びマグロ等である39。 21 36【観光業】 ⑤ 各産業分野 【農業】 35 DoRD, Main Report Federated States of Micronesia Integrated Agriculture Census 2016 36 FAO, GLOBEFISH Market Profile, 2018 37 FAO, Fisheries of the Pacific Islands Regional and national information 38 財務省貿易統計 39 DoRD, Main Report Federated States of Micronesia Integrated Agriculture Census 2016 40 国際機関太平洋諸島センター(PIC)ガイドブック『ミクロネシア連邦』 41 ADB, Pacific Tourism Sector Snapshot 2021

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