太平洋島嶼国投資ガイド
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171 374 Ministry of Finance & Economic Management 2018 375 Agriculture Sector Action Plan 2020-2025 376 国際連合食糧農業機関(FAO)ウェブサイト 377 Ministry of Finance & Economic Management 2021年統計データ 378 Pacific Tourism Organisation 2020 379 国際機関太平洋諸島センター(PIC)ウェブサイト 380 オーストラリア外務省ウェブサイト 培に従事しており、55.7%はココナッツの採取を行っている374。観光産業の発展に伴い、高利益である宿泊施設の建設により、農業用地が減少している。国勢調査によると、農業用耕作地は1988年の6,934エーカーから2011年の2,029エーカーに縮小しており、その後の公式な情報は更新されていないが、Ministry of Agriculture(MOA)は、耕作面積が減少傾向にあるとの見解を示している375。 【漁業・海産業】 ラロトンガ島を拠点とする南部の漁業は主に小規模船舶で国内および国際市場を対象としている一方、北部はサモアのパゴパゴを拠点とし、主に缶詰用のビンナガ漁を行っている。市場へアクセスできるラロトンガ島、及びアイツタキ島を除いた離島では、主に自給自足のため沿岸漁業が行われ、正式な魚市場はなく、非公式な販売が日常的に行われている。漁業の他、1980年代からマニヒキ島で開始された黒真珠の養殖は、クック諸島の重要な水産養殖となっている。真珠養殖を除くと、クック諸島での水産養殖は小規模であり、自給自足または半商業生産に限られている376。 【観光業】 観光業がGDPに占める割合は66%と産業分野別で最も高いものの、2021年の観光客は、COVID-19前の2019年の約15%にあたる26,330人に留まっている。その内訳はニュージーランド26,141人(99.3%)と大半を占め377、2021年5月に開始されたクック諸島とニュージーランド間の旅行に検疫が不要となったことが起因していると考えられる378。 ⑥ 貿易・経済連携協定 ニュージーランドと自由連合関係を持ち、貿易や経済協力の面でニュージーランドへの依存は高い。国連未加盟国だが、アメリカ、EU、及び中国を含む27カ国と外交関係を締結している379。また、2020年に発効した加盟国による貿易と経済に関する統合協定である太平洋諸国経済緊密化協定(Pacific Agreement on Closer Economic Relations:PACER Plus)を批准している380。

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