太平洋島嶼国投資ガイド
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2000年代以降、ソロモン諸島では木材生産・輸出の拡大が続いており、2018年には318万m3の丸太が輸出された。その8割は中国へ輸出され、中国にとってはPNGに次ぐ熱帯材丸太供給国となっている。丸太以外の輸出は少なく、2018年の製材品、単板輸出量はともに1.5万m3。日本へは、1990年代には年間40万m3程度丸太輸出があったが、2000年代以降は少なく、2017年の丸太輸出量は4,505 m3だった202。 2019年の観光業は、GDPの10.5%を占め、1億3,280万USDの収益を上げる重要な分野であった。海外からは28,907人が訪れ、その内28%が観光を目的であった。訪問客の40%がオーストラリアからで、その他はフィジー(10%)、PNG(8%)、ニュージーランド(7%)、アメリカ(5%)、及びアジア各国であった206。ソロモン政府は国内観光にも注力し、文化観光省はTourism Solomons、及びソロモン航空と提携し、2021年3月から1年間、「Iumi Tugeda Holidays」と呼ばれる国内観光促進のイニシアティブを実施した207。 ⑥ 貿易・経済連携協定 ソロモン諸島は世界貿易機関(WTO)のメンバーとして、メラネシア自由貿易協定、太平洋島嶼国貿易協定(PICTA)、欧州連合経済連携協定、太平洋諸国経済緊密化協定(PACER Plus)などの地域貿易協定を結んでいる208。太平洋諸島フォーラム等、地域協力機構にも積極的に参加し、イギリス、オーストラリア等の英連邦諸国及び近隣諸国との友好関係の構築を推進している。2019年9月には中国との国交を樹立している209。2014年7月にはEUとのEPAに加盟している210。 94 202 林野庁ウェブサイト 203 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構, 世界の鉱業の趨勢 2017 204 Radio New Zealandウェブサイト 205 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構, 世界の鉱業の趨勢 2017 206 International Finance Corporation, Solomon Islands Tourism: Investor Guide 207 Tourism Solomonsウェブサイト 208 National Development Strategy 2016-2035 209 日本外務省ウェブサイト 210 European Commisionウェブサイト 【林業】 【鉱業】 ガダルカナル島のGold Ridge金鉱山は2000年に採掘を停止していたが203、2019年に中国の支援を受け再稼働している204。ガダルカナル島、及びその他の島々で探鉱活動が続いている。2014年に鉱業法「Mines and Minerals Act 1990」改正が行われ、金、銀、銅、ニッケル、ボーキサイト、及び鉄鉱石のロイヤルティの見直し(採取時の総価値の3%)等が行われた205。 【観光業】

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