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ニューギニア航空でソロモン諸島に行く!

10年ぶりにソロモン諸島に行くことになった。かつて利用したブリスベン経由で計画を立てようと思っていたら、ニューギニア航空も便利になったという。ニューギニア航空というとなんかちょっと怪しい気もしたが、「定時運航率85%。もう昔のニューギニア航空じゃありませんよ」だそうだ。週2便だから日程も組みやすくなってるし、値段的にもこっちの方が安そうだ。てなわけで、ポートモレスビー乗り換えで行くことに決めた。

1月の末。

成田空港についてチェックインしようとすると、すごい行列だ。

え? こんなに混んでるの???

みなパプアニューギニアに行くのだろうか???

な~んてことはなくて、大半がオーストラリア行きの旅行者だろう。

空港のショップに行って、先にお土産や本など買ってから、もういちどチェックインに並ぶと、わりと列も短くなっていた。チェックインは簡単。預け荷物は25キロまでで個数制限はない。荷物は最終目的地のホニアラまで預けられるが、ポートモレスビーからホニアラまでの搭乗券はポートモレスビーで手続きするとのことだった。

ニューギニア航空のポートモレスビー行きは出発が午後9時5分とかなり遅い時間に設定されているせいか、或いは繁忙期じゃなかったからなのか、出国手続きはほとんど並ばずスムーズで、サクサクとゲートまでたどり着ける。日本人や、オーストラリア人っぽい白人に混じって、メラネシア系の乗客もちらほらいて、気分も盛り上がる。機体は3列、3列のB737。早めに予約を取って、前の方の窓際席を指定しておいた・・・・はずだったのだが、そこにはニューギニア人らしいおばちゃんが座っていた。

「そこ、私の席ですよ。でも窓際がいいなら代わりましょうか?」と声をかけると、サンユーサンキューとたいそう喜んでくれた。おばちゃんは、東京にいる親戚を訪ねた帰りだそうで、「寒かったけどベリーエキサイティングだったわ~」などと語ってくれた。いや、「ベリーエキサイティングだったけど、寒かったわ~」だったかもしれない。

午後9時44分離陸。40分遅れかよ、どうした定時運航率と思ったが、ポートモレスビーに着いたのはちゃんと定刻だった。機内はけっこう混んでいて、3人掛けの3席とも埋まっている列もけっこうあったが、幸運なことに我々の席は真ん中が空いていたので、けっこうゆったりできる。ポートモレスビーまで6時間半ほど。ポートモレスビー到着が朝5時(日本時間の4時)で、トランジットが5時間だから、ちょっとトランジットが長いが、ブリスベンまで飛ぶと9時間だから、機内ですっと座ったままよりは、こっちの方がかなり楽な気がする。まあ空港はポートモレスビーだけど(笑)・・・・と思っていたら、驚いた。出発ターミナルが改装されていて、こりゃまたえらくモダンになっていた。中央にフィジーでおなじみプラウズの免税品店があり、民芸品店、PNGらしからぬ(?)オシャレなカフェなども並んでいる。私は到着後、カプチーノなどをちょうだいし、ホニアラ行きのゲート付近でバッグを枕に横になって一休みしたのだが、乗客数の割にスペースは広く、こぎれいで猥雑感がないので、けっこう居心地は良かった。目覚めて見回すと同じ飛行機で成田から乗ってきていたメラネシア人の若者と目が合う。ほほえむと微笑み返してくれて(太平洋の人だ~)と嬉しくなって話しかけてみた。

彼らは文化交流プログラムで1週間日本に行っていた大学生だとかで、能登にいってきたという。へ~っ、なんで能登なんだろう? と思いながら、「どうだった?」と聞くと、「すっごく楽しかった。先進国に行くのは初めてで、もう見るもの聞くことみんな新鮮だった」、「日本の人はみんな親切で感激したよ~」、「大学を卒業したらスカラシップをとって日本に留学したいなぁ」などと、ちょっと聞く方がこそばゆくなるくらい絶賛してくれた。

 

 

ポートモレスビー空港

そうそう、ポートモレスビーで降りてトランジットに進むとき、荷物検査のおばちゃんも、乗り継ぎ先への発券担当のおばちゃんも、どちらもひとりしかいなかったということは書いていた方がいいかも。成田からのほとんどの客は乗り継ぎ客で、オマケに成田便の直後にシンガポール便とマニラ便も着いたので、乗り継ぎカウンターは長蛇の列になっていた。ポートモレスビー乗り継ぎで旅行するときには、指定できるなら極力前の方の席をとり、さっさと乗り継ぎ手続きを終えてしまうのが吉とみた。

 

 

ソロモン人学生と「何いってんだかさっぱりわからないなぁ」と言い合った一応英語のアナウンス。精一杯おすましして見栄を張っているカフェのおねえちゃん。しゃきっ、ぱきっ、とした先進国の空港も決して嫌いではないけれど、新装してすっかり垢抜けているはずなのに、なんかホンワカした南の島の空港の雰囲気は、けっこう旅情をかき立ててくれる。

ホニアラ空撮

やがて搭乗アナウンスがあり、いよいよホニアラへ。夜が明けた今、今度は窓際の席は死守するぞの決意とともに機内に乗り込む。空から、ニューギニアとそしてソロモンの景色を楽しむため、手荷物には両国の地図などもしっかりしまい込んでいる。ホニアラ便は6割ほど座席がうまった感じか。となりはニューギニアのハイランドの教会医師で、フィジーに研修に行くんだとか。さっきの学生同様、英語のリハビリも兼ねてけっこう話し込み、最後はメルアドの交換までしてしまった。でも、まあ、たぶん、もう会うことはないような気もするけれど。

幸運なことに好天で、窓からの景色は最高だ。ニューギニア島を斜めに横切り、いくつかの島を上空から眺めて2時間後、ガダルカナル島南岸に到達した。かつて緑一色だった島の内陸まで、何本も伐採用と思われる林道ができている。ホニアラ上空でぐるっと旋回すると運のいいことに私の座ったA席側はホニアラ市内を海から一望できた。あ、メンダナホテルだ。国会議事堂だ。見覚えのあるホニアラの景色。着陸前の遊覧飛行を心置きなく楽しむ。

着陸。

イミグレを抜け、荷物を持ってカスタムをくぐる。外に出ると、湿度の高い南国の青空と、頼んでいたホテルの運転手が迎えてくれた。

「久しぶりですね~、TK生さん!」

「・・・・・」

こっちは覚えていなかったけれど、思わず顔がほころんだ。

いい旅だった。

いや、旅はこれからか。

寝不足でちょっとぼーっとしながら、まずはいいスタートだ、と満足して、私は助手席に乗り込んだ。

TK生